日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第163委員会 (ITRC) 地域間インタークラウド分科会 (RICC) では、第1回インタークラウドワークショップを以下の通り開催します。 本ワークショップでは、クラウドに関する要素技術の研究動向、実際のクラウド構築事例からインタークラウドへの取り組みまで、様々な情報交換と交流の推進を目的としています。技術者や研究者、企業の方問わずご参加頂けますので、広域分散クラウドや 地域情報化に興味のある方等々、皆様のお越しをお待ちしています。
※ なお,当日参加も可能ですが、なるべく下記申込ページから申し込みをお願い致します。
開催概要
- 日 時:2012年11月2日(金) 13:00〜18:00
- 会 場:佐賀大学理工学部6号館2階 多目的セミナー室(アクセスマップ:http://www.saga-u.ac.jp/access/)
- 費 用:無料(懇親会は別途料金が必要です)
- 申 込:事前申し込みは終了しました。当日会場までお越し下さい。
- 主 催:日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第163委員会地域間インタークラウド分科会
- 後 援:佐賀大学
- 問合せ先:地域間インタークラウド分科会事務局 (sec[at-mark]ricc.itrc.net)
プログラム
12:30 〜 |
開場 |
13:00 〜 13:10 |
開会の挨拶,会場諸注意 |
13:10 〜 14:40 |
セッション1(講演時間 20分(質疑応答込み))
- RICC Update / 柏崎礼生(東京藝術大学,RICC主査)(※講演時間10分)
- RICC広域分散ストレージ実験 / 北口善明(金沢大学)
- クラウド環境での暗号化によるデータ保護/ 永見健一(インテック)
- 発表内容 クラウドに保存するデータは、クラウド提供者が内容を把握できてしまう平文で保持されることが多い。クラウド環境をさらに利用するためには、データをクラウド提供者が把握できない仕組みを作ることが望ましい。特に、地域間クラウドでお互いのデータを保持す場合には、この仕組みは重要である。 本発表では、暗号化を用いたデータ保護の提案を行い、参加者とこのような仕組みの有効性を議論したい。
- キーワード データ保護、暗号化
- デジタルサイネージの利用者間連携を実現するサイネージクラウドの提案 / 坂辺拓(広島市立大学大学院)
- 発表内容 異なるデジタルサイネージシステム、広告主、視聴者同士でコンテンツの相互利用等の利用者間連携を実現することによって、より付加価値の高いサービスを提供することができる。しかしながら、それぞれ独自の仕組みやインタフェースが提供されているため、利用のためには連携の仕組みをそれぞれ作成しなければならなかった。本研究では、連携に用いるデータを統一的な仕組みで管理し取得するためのプラットフォームの提案を行い、汎用的な利用者間連携の実現を可能とした。
- キーワード デジタルサイネージ、コンテンツ配信、利用者連携
- パブリッククラウドサービスを用いた分散データベースApache Cassandraクラスタ構築の現状と課題 / 堀越崇(NTTコミュニケーションズ)
- 発表内容 オープンソースの分散データベースApache Cassandraは、耐障害性が高いこと、多数のプログラミング言語がサポートされること、マシンの追加で簡単に性能向上できることが魅力であり、最近注目されている。 現在我々は、パブリッククラウドサービスに於ける複数台の仮想マシンを用いて、当該Apache Cassandraのクラスタを試験的に構築中であり、その現状と課題を紹介する。これを基に、関連研究者の皆様と情報交換できればと考えている。
- キーワード パブリッククラウド、分散データベース、Apache Cassandra
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14:40 〜 14:50 |
休憩 |
14:50 〜 16:20 |
基調講演(講演時間 各45分)
- 大学情報系センターから見たクラウドサービス −課題と期待− / 只木進一(佐賀大学 総合情報基盤センター教授・センター長)
- 発表内容 情報通信技術の成熟と普及の一方で、大学等の教育研究機関の情報系センターの業務は増加し、人員は増えるどころか減る方向にある。また、効率化だけでなく、情報の機密性、可用性、完全性の向上のためにも、システムの集約が必要となっている。クラウド技術の活用は、こうした課題への一つの解と考えられる。学内にプライベートクラウドを作るべきなのか、外部のクラウドサービスを活用する方法と課題は何か、地域をまたぐ
クラウドサービスで新しいサービスを開拓できるか、などについて私見を述べる。
- 佐賀県における自治体クラウドへの取組 〜国民にとって便利な電子社会の実現に向けて〜
/ 鷲崎和徳 (佐賀県統括本部情報課電子行政推進担当)
- 発表内容 日本の地方自治体は、公共サービスの質の維持向上と歳出削減とをどうやって両立させるのか、という課題に直面しているが、その解決手段として従来より期待されているのが ICT である。しかしながら、日本では世界でも最先端のブロードバンド環境が整備されているにもかかわらず、ICT 先進国に比べると実際の利活用レベルはかなり低い。佐賀県では、国民にとって便利な電子社会の実現を目指し、県内市町とともに佐賀県 ICT 推進機構を設立して、クラウドを活用した情報システムの共同利用化、行政サービスの向上に取り組んでいる。このような佐賀県の取組概要を紹介し、住民サービス向上の視点からの議論、情報交換を行いたい。
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16:20 〜 16:30 |
休憩 |
16:30 〜 18:00 |
セッション2(講演時間 20分(質疑応答込み))
- 高知学術ネットワークの構築 / 菊池豊, 福本昌弘 (高知工科大学)
- 発表内容 良好な通信品質の実現さらに地域の自立性や耐災害性をインターネット上で獲得するために地域IXが提唱されて15年以上経過している。商用インターネットサービスの発展で地域IX活動が沈静化したのち、近年改めて話題に登る様になって来た。高知においてはSINET4やJGN-Xへの接続と防災の観点から地域IXを積極的に利活用しようと言う活動が起きた。本発表では高知の動向を紹介し、いまさらの地域IXの紹介と今後の地域IXの利活用について議論したい。
- キーワード 地域IX、通信品質、アカデミッククラウド
- アカデミックコミュニティクラウドアーキテクチャの提案 / 横山重俊(国立情報学研究所)
- 発表内容 教育および研究用途に特化したアカデミックコミュニティクラウドのアーキテクチャについて提案する。提案アーキテクチャの特徴は、研究グループや教育プログラムごとに、オンデマンドで物理マシンクラスタを構築し、その上にそれぞれの目的に合ったクラウド基盤(IaaS/PaaS/SaaS)を自動構築できる Cluster as a Service(CaaS) と地理的に分散するそれらクラスタから統 一的に利用可能なインタークラウドストレージサービスを学認認証により統合し、今後の地域分散型のアカデミックコミュニティクラウド構築に活用することを考慮したことである。
- キーワード Cluster as a Service、インタークラウド、クラウド利活用事例、クラウド基盤構築技術
- 大学向けクラウド基盤におけるVMテンプレートの多様化 / 笠原義晃, 伊東栄典 (九州大学)
- 発表内容 学内の情報系学部向けIaaS型プライベートクラウドサービスにおいて、サービス充実のため、多様なOSおよび多様なPaaS型のテンプレート充実を検討している。組織内だけでテンプレートを充実させるのは困難であるため、全国的な協力体制について議論したい。
- キーワード プライベート・クラウド、大学向け、VMテンプレート、データセットVM
- 広域分散環境利用者の連携と共同調達 / 田邊俊治(埼玉大学)
- 発表内容 大学の情報システム業務運用の立場からクラウドの利用を目指した時、セキュリティや既存資産の活用を考えた各種の条件が発生するが、これらを満たすには作りこみなどのSIなどの工数がかかり、結果的にコスト高となる。このため共通仕様で行う共同調達を模索して各方面に調整と提案をお願いしている。今回、この過程で得ることができた経験をもとに新たな利用法を検討したい。
- キーワード 大学業務、サービス利用者、共通仕様、調達、クラウド利活用
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18:30 〜 |
懇親会(佐賀大学生協 かささぎホール) |
FYI from LA